一言で、これという役割はないと思います。むしろ、「不幸な結果」を受け取った家族の反応に合わせ、役割は玉虫色に変化すべきではないかと思います。 「不幸な結果」といってもそれを受け止めるのはご家族です。91歳のおばあさんが、不幸にもお亡くなりになったとして、ご家族が「天寿を全うした」と感じられるのであれば、特に役割は必要ないかもしれません。ご家族が静かにお看取りをできるように配慮し、失礼のないように対応すれば、それでよいように思います。例えば、小さなお子様。そうですね、ひ孫さんを連れてきているのであれば、ひ孫さんのことを少し気にかけてあげる。私の経験上、こうしたことだけで、十分なケースの方が多いように感じています。何を言いたいかと言いますと、「不幸な結果」を受け取るご家族のことを、「悲しみのどん底にあるサポートが必要な人」と決めつけ、「何かよいことをしなければと肩肘を張る」必要もないのではないかと言うことです。
逆に、冒頭の配慮のように、最低限すべきこともあると感じています。例えば、何らかの社会資源を必要とする人をスクリーニングし、次につなげることなどがこれに含まれると思います。患者と2人暮らしで頼れる人がいない、若い家族(場合によっては子供)だけが残されるなど、一部のご家族は、社会的資源に乏しく、明らかに社会的なサポートが必要でしょう。また、予想外のこと、例えば自殺・交通事故など突然の訃報も、通常以上にショックである可能性が高いのではないかと思います。ある施設では、こうしたご家族へ、遺族外来という心理・社会的サポートを提供する外来のご紹介を行っているようです。多くの看護師は、病棟や外来といった場所に縛られて働いています。したがって、ご家族の方のその後をしっかりと、かつ長期的にサポートすることには不向きです。ですので、必要な(可能性のある)ご家族を専門家へ「つなぐ」役割というのが重要ではないでしょうか。
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